『茨城同窓会たより』                   

平成27年11月23日発行
甲府工業茨城同窓会

  
会長 村上博靱

ブログ ちょっくらよっていけし
HP  あおぐ錦城

「高校生作文コンクール 土地・建設産業局長賞」受賞

『建築士への想い』

山梨県立甲府工業高等学校建築科3年  佐野 郁馬

 

私の父は一級建築士だ。だから私は、小さい頃から家が建設されているところや建設している人たちの姿をたくさん見てきた。最初は、「家が立派に建ってすごい」とか「難しくて大変そうだな」という単純な感想しか持たなかった。しかし、年を重ねるにつれ「どうやって家を建てているのだろう」と疑問に思うようになり、建築にたいして興味が湧いてきた。そして、将来は建築士になるという夢を抱き、山梨県立甲府工業高等学校の建築科に進学し、建築について学び始めた。
高校進学後、建築について勉強するにつれて私の建築に対する想いや関心は思っていた以上に大きくなっていった。いろんなことを知ればしるほど建築が好きになり、いつしか建築に夢中になっていた。
そんなとき、製図の授業で自由設計の課題がだされた。私は設計することがとても好きだったので、はりきってその課題に取り組んだ。しかし、いざ実際に設計してみると思ったように手が動かない。良いアイデアが浮かばなかったのだ。設計するにあたり自分が思っていた以上にたくさんの要素について考え、配慮しなければならなかった。
その土地の状況、都市計画、家族構成、その家族の趣味、住宅としての利便性、暮らしやすさ、バリアフリー、外観、外構計画、予算など今まで考えてもみなかったことについて考えなければならなかった。私は建築を学んでいる上で初めて壁にぶつかった。
改めて建築って難しいと感じた時だった。私はその課題を通して自分の知識不足を痛感し、もっと勉強しないといけないと思い、今までより意欲的に授業に取り組むようになった。
そして、建築について深く考えさせられた出来事がもう一つ起こった。それは熊本県で起きた大地震だ。住宅が何棟も、多くの人命と財産を失う大震災となった。この出来事を受けて私が感じたことは「責任感」だ。人命や財産をしっかり守ることのできる建物をつくることが、建設業に携わる全ての人の使命だと思う。「中途半端ではいけない」と思い建築に対する真剣さが増した。
私は大学に進学してさらに建築への勉強をしようと思っている。建築士の夢は目標になりつつある。立派な建築士になれるようにこれからも日々頑張っていきたい。