「比叡山延暦寺を訪れて」                      2021年11月1日 記  松井昌美                                         
天台宗総本山比叡山延暦寺へ行こうと常々心掛けていました。やっと条件が整って行く事が出来ました。比叡山延暦寺は1994年世界文化遺産に登録されています。広大な境内には「東塔(とうとう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」と言う3つの区域があり、そこには150の堂塔があり、総称が比叡山延暦寺なのです。私は朝8時30分京都駅発のバスで比叡山頂迄行きました。60年前にバスで比叡山ドライブウェイを走っていた時にガイドさんが両側には「恋のすすり泣く草が植えてあります」と言った言葉が耳に残り、いつか又行って見たいと思っていましたからバスにしました。
でも見当たりませんでした?土地の方に聞いたら度々の台風の影響で山全体が荒れてしまったそうです。山頂にはガーデンミュージアムがありましたがパスして、目的の天台宗総本堂「根本中堂」(国宝)へ向かいました。
この本堂は2016年から10年計画で大改修中でした。内は一部見学出来ましたが、何しろ規模が大きくて全体像を掴めませんでした。ここでは「家内安全」の祈願をしました。東塔地域で2時間余りが過ぎてしまいました。ここから西塔地域へは2km横川地域は5km位らしい?歩いては無理みたい。
バス停留所で思案をしていたら写真館の方から「今日はお客さんもいないので案内しましょうか」と声をかけられてお願いする事にしました。そして2時間余りを案内してもらいました。親切丁寧に説明をしてもらい感謝でした。
最も印象に残ったのは比叡山延暦寺を開いた天台宗祖最澄の伝教大師御廟でした。山内随一の聖域浄土院の奥にひっそりとたたずんでいました。正面両側に菩提樹と沙羅双樹が、唐門の前には生花が活けられ香炉からは香が常に立ち上がるようになっていました。又軒先には四方に猿が御守りしています。
お庭は「掃除地獄」と言われ落ち葉一枚も許されない。毎朝侍真を手伝う僧侶が砂紋を描くそうです。ここで若い僧侶にお会いしました。お掃除をしている所でしたので挨拶をしましたら快く話してくれました。3年間この浄土院から出られないそうです。将来は立派な僧侶になる事を願いつつお別れしました。
比叡山は余りにも大きくてもう一度行って続きを歩いて見たいと思っています。清浄な地の凛とした冷気を吸い心の澱が洗われたようでした。


写真は東塔地域拝観入口の前で。